燃料油価格対策等についての会見ー令和5年8月30日

岸田総理冒頭発言】

 先ほど、ガソリン、灯油等の激変緩和措置に関して、自民党、公明党両党の政調会長から提言を頂きました。これに基づきまして、ガソリン等の新しい激変緩和措置につきまして、ここにありますように、9月7日から発動いたします。買い控え等の市場の、流通の混乱等を控えるために、段階的に進めてはまいりますが、現在、リッター185円程度の水準でありますが、これに対して措置を行って、10月中には、リッター175円程度の水準を実現したいと思っています。ちなみに、この175円というのは、昨年3月、ロシアがウクライナへの侵略を開始した直後の水準、これが175円ということであります。現在でも、本来であるならば195円という水準であるところ、10円程度の補助を行って、リッター185円という水準になっているということであり、これに更に10円程度補助を上乗せすることによって、175円程度の小売価格、これを実現することといたします。
 なお、こうした措置の対象でありますが、地方の足である自動車、また、日本の物流を支える運送業、運輸業、こうした関係者が使用するガソリンや軽油、これはもちろんでありますが、それのみならず、トリガー税制では適用対象とならない、冬季の国民の暖房には不可欠な灯油ですとか、あるいは中小企業、農業、漁業において使用する重油、こうしたものも同時に対象となります。まずは今回の措置を年末まで講ずることとし、国際的なエネルギー価格の動向等も注視しながら、必要な対応を機動的に考えていきたいと思っております。
 また、電気、そして都市ガス料金の激変緩和措置についても、与党の提言を踏まえて、物価高に対する経済対策を策定し、実行するまでの間は、9月末まで行うこととしております支援を、その後も継続することといたしました。経済対策全体の検討を踏まえて、必要な対応を行っていきたいと考えております。私から冒頭、以上です。

(経済対策のスケジュール感及び重視するポイントについて)

 国民生活を守るために、新たな経済対策を取りまとめることを考えております。ただ現在、スケジュールについては決まってはおりません。そして、経済対策の目的とするもの、これは国民生活を守る。あわせて、賃上げ、投資、これを促進する。経済の好循環を実現する上で必要な対策を打ち上げ、中心にしっかりと押し上げていく。こうしたものにしたいと考えております。

(燃料油価格対策の財源及び出口を設ける場合は何を考慮するかについて)

 まず1つ目ですが、財源の方の話、詳細は経産省に確認していただきたいと思いますが、令和4年度第二次補正予算において措置された予算額において、支援は可能であるため、予算額を積み増すことはしないと承知しています。出口についてどう考えるかということですが、これは先ほども申し上げました、新たな経済対策、これを検討する中で、出口等についても考えていくべきものであると考えます。以上です。

(ガソリンの補助は、2年近く実施することになるが、市場の原理を歪めるとか脱炭素施策に反するという指摘への受け止めについて)

 まずは国民生活、あるいは全国の中小企業や零細企業の事業を守る。これが政治にとって最も大きな責任であると考えます。そして今、現実、私も夏、多くの関係者の皆様の声、現場の声を聴いてまいりました。その切実な声に、まずしっかり応えることが第一であると思います。御指摘の点についても、もちろん大切な課題ではあると思いますが、こうした対策をまずはしっかり講じた上で、今後の経済対策の議論ですとか、予算の議論等において、大きな流れについても考えていく。こうしたことによって、しっかり両立を図っていくことが大事ではないか、このように考えます。

(自民党、公明党からの提言を受けてから1時間後の発表で熟慮した結果といえるかについて)

 これはですね、議論は、全く与党の議論が済むまで、何も政府は考えていなかったというものではありません。政府・与党一体となり、並行して様々な検討を行ってまいりました。それを正式な提言が出た上で、政府としてもしっかりと確認した上で、政府としての考えを結論付け、発表しているということであります。熟慮した結果であります。

(国民からトリガー条項の発動やガソリン税を無くしてほしいという声の受け止めについて)

 先ほども申し上げましたが、トリガー税制では対象とならない、こうした灯油あるいは重油、こうしたものについてもしっかりと支援を行わなければならないと考えております。さらに、こうした対策を行った際に、買い控え等の流通の混乱、こういったものを生じさせてはならない。そのための工夫が必要であると思います。こういった点を考慮した上で、今、お示ししたような対策を行っていきたいと考えております。トリガー税制との関係については、以上の点を考慮した上で、政府としての方針を決定している、こういった次第であります。