米アカデミー4冠「パラサイト」、ポン・ジュノ監督の“勤労基準の順守”も原動力に (2/10)

米アカデミー4冠「パラサイト」、ポン・ジュノ監督の“勤労基準の順守”も原動力に

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ポン・ジュノ監督の映画「パラサイト 半地下の家族」が現地時間9日、「第92回 アカデミー賞」で作品賞を含む全4部門でトロフィーを手にした。注目が集まるなか、映画が「標準勤労契約書」を順守していたという点にもフォーカスがあたっている。

「標準勤労契約書」は労働現場で書面勤労契約の原則を拡散・定着させるために、勤労基準法 第17条に則って使用者と勤労者間で必ず交わす契約書だ。勤労基準法 第17条は使用者が勤労契約を締結する際に、勤労者に賃金・勤労時間などを明記する必要があり、勤労契約に関する事項が明記された書面を勤労者に交付することが義務付けられている。使用者がこれに違反すると、500万ウォン以下の罰金が科せられる。

◇ソン・ガンホ「ポン・ジュノ監督は食事の時間を守った」

「標準勤労契約書」は一般の職種と異なり、劣悪な映画製作環境では守られてこなかったことで知られている。昨年「パラサイト 半地下の家族(以下、パラサイト)」が「カンヌ映画祭」でパルムドールを受賞した際に、この「標準勤労契約書」に順守した映画だという点でも注目を浴びていた。

昨年「カンヌ映画祭」の公式記者会見の場で俳優ソン・ガンホは「(ポン・ジュノ監督は)食事の時間をきちんと確保し、時間も守っていた。僕たちが幸せな環境で仕事をできるようにしてくれた方だ」と明らかにしていた。

ポン・ジュノ監督は同じ記者会見で「『パラサイト』だけで特別に「標準勤労契約書」の作成をしていたわけではなく、2~3年前から映画スタッフの給与などを正しく整備するようになった」と話した。

ポン・ジュノ監督が撮影現場で「標準勤労契約書」に従って、より良い映画撮影現場を作ろうと努力していたというエピソードも映画雑誌のインタビューで語られていた。

ポン・ジュノ監督は昨年、「カンヌ映画祭」期間に毎日発行される映画雑誌「スクリーン」のインタビューに応じ「子役のチョン・ヒョンジュンが遊ぶシーンをカメラに収めなければならなかったが、外は記録的な暑さが続いていたため、そのシーンだけ別に9月のあたまに撮影した」と話していた。子役を守るために、制作費の追加もいとわない決定だった。

◇「標準勤労契約書」作成が定着中…事業主の認識も改善

現在「標準勤労契約書」の作成は映画界で定着しつつある。映画振興委員会の「2018年 映画スタッフ勤労環境 実態調査」によると、アンケートに答えた映画スタッフのうち「標準勤労契約書」に契約したことがあるスタッフは2018年が74.8%で、2012年 22.7%、2014年 35.3%、2016年 53.1%、2017年 53.3%と年々増加している。

職群別に見ると演出(93.8%)、撮影(88.5%)、美術(82.5%)照明(82.2%)、衣装(79.1%)、同時録音(78.3%)、制作(76.6%)、小道具(68.8%)、その他(39.4%)の順で「標準勤労契約書」の作成率が高かった。

「標準勤労契約書」の未作成の理由としては、52.1%が「事業主が提示してくれなかったから」と答えた。これは2017年の76.6%に比べると現象した数字だ。事業主の「標準勤労契約書」に関する認識が改善されつつあると分析することができる。

一方で映画振興委員会の「映画事業 勤労標準契約書」にはより詳細な項目を見る事ができる。「映画労使政協議」をとおして昨年10月30日付けに決定された「映画産業 勤労標準契約書」には映画の題名、監督、ランニングタイム、画面、サウンド、予想回数、予想製作期間などを記入する項目がある。賃金の項目にもフリープロダクション、プロダクション、ポストプロダクション単位にわけて時給と総支給額を書く欄がある。

正義党も10日、「パラサイト」の「アカデミー賞」受賞についての論評で「労働者が犠牲にならずに正当な待遇を受けている状態で、素晴らしい成果を出せることを証明した。搾取や犠牲のない労働文化が韓国の映画界と労働界に根付くことを祈っている」とした。